退職、送別会ラッシュ、そして松本移住へ

退職、送別会ラッシュ、そして松本移住へ

私の定年日は2023年4月末でしたので、半年前の2022年10月に勤めていた東京の会社から「定年後は再雇用を希望しますか? それとも退職しますか?」と聞かれました。 私が退職しますと答えると「えっ!? 辞めちゃうの?」という反応でした。 ほとんどの社員が再雇用を選んでいたからだと思います。 松本に移住すると伝えると納得してもらえました。

スポーツクラブで退会の手続きを申し出たら、顔馴染みの女性スタッフに「どうかされたのですか?」と、少し驚いた顔をしながら訊かれてしまいました。 長野県に引っ越すと伝えましたが、12年間楽しく通ったジムで、仲の良いジム仲間も出来たので、少し感傷的になりました。

残っていた有給休暇を全て消化したので、私の退職日は2023年3月8日になりました。 その当時は未だ新型コロナウイルスが5類になっていなかったので送別会は無く、退職日も帰りにジムに寄り、いつも通り筋トレしました。 退職日なんて大したことは無いだろうと思っていましたが、私が退社する時、思いがけず社員全員が立ち上がって拍手してくれたので、泣きそうになって慌てて会社を出ました。 中々良いものでした。

退職した翌日、宮前区役所で転出証明書をもらい、宮前郵便局で転居届を提出しました。 引っ越し日は3月20日だったので、荷造りは余裕で間に合うなと思っていましたが、有難いことに、ジム仲間・友人・知人・妹達などの送別会ラッシュになり、引っ越し日当日迄荷造りしていて、終わったのは引越し業者が来る直前でした(笑)

業者が荷物を全て運び出し、川崎の家を出発したのは夕方遅く。 車で自走し松本のビジネスホテルに到着したのは22:00頃でした。 松本の家に荷物が届くのは翌々日の3月22日だったので、ビジネスホテルには20日・21日と連泊しました。 下見旅行の時から何度もお世話になっている、定宿の松本ツーリストホテルです。 このホテルは大浴場とバイキングの朝食が売りで、何度でも泊まりたくなるお気に入りの宿です。

ホテルにチェックインした時、不思議な感覚に陥りました。 それは松本に旅行しに来たのか、それとも引っ越して来たのか、一瞬分からなくなってしまったのです。 2泊分の荷物はスーツケースに詰めて車に載せてきたので、スーツケースを見ながら「あれっ? 俺、松本に旅行に来たんだっけ?」 「いやいや、川崎の家は引き払ったから、もう帰るところは無いよな。」 「そうだよ、俺は松本に移住しに来たんだよ。」という感じで、自分でも不思議でした。

これまで地方に引越した事は無く、引っ越しは何度か経験しましたが、全て都内から川崎など首都圏近郊のみで、引っ越しは一日で済んでいましたので、3日がかりの引っ越しなんて生まれて初めてです。 3日間も家無し状態が続くので、そんな感覚に陥ったのかもしれません。

余談ですが私は若い頃、ヨーロッパやアメリカをレンタルバイクで、行き当たりばったりソロツーリングした経験があるのですが、その時も不思議な感覚に陥った事があります。 ヨーロッパを2週間ツーリングした時のことでした。 毎朝荷造りして荷物をバイクに積んで宿を出発し、夕方次の街に着いて再び荷物をバイクから降ろして宿に入る、を繰り返していました。

旅が1週間を過ぎた頃、いつも通り朝、宿で出発前の荷造りをしていた時に、何だかその街に住んでいるような不思議な感覚に陥ったのです。 逆に日本で、住んでいた街から別の街に引越する時、旅の途中に宿で荷造りをしている感覚に陥った事もあります。 何連泊までが旅で、何連泊からが居住になるのでしょう? 旅と居住の違いに、明確な線引きはあるのでしょうか?

1週間連泊は旅? 1ヶ月連泊も旅? 1年連泊は居住? それでは3ヶ月連泊は旅? それとも居住? 6ヶ月連泊は? 昔、中田英寿さんが「人生は旅であり、旅とは人生である。」とおっしゃっていましたが、その気持ち、とてもよく分かります。

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